1331年以来
歴史のはじまり
シャトー・ラトゥールは、常にこの地方の歴史の中心にありました。過去を知ることは、シャトー・ラトゥールがいかに今日の名声を得てきたか、その過程をさらに深く理解する絶好の機会となります。数世紀にわたって大切に保存されてきた膨大な古文書。これら資料は、時代を超えた、ディテールに満ちた旅へと我々をいざないます。この貴重な歴史遺産から、シャトー・ラトゥールおよびシャトーに従事する職人たちの生活が、何世紀もの間、驚くほど安定し、かつ、継続性のあるものであった事実が読み取れます。それは同時に、ワインの品質の類まれなる安定性を立証するものでもあるのです。
ラトゥールの名が登場する最古の文書は1331年に書かれています。それは、サン・モーベール教区において防衛機能が備わった塔を建設するにあたり、ポンスの領主がゴーセルム・ド・カスティヨンに与えた許可状でした。 その後、1378年、ジャン・フロワサールの『年代記』にもシャトー・ラトゥールは登場します。時は百年戦争真っ只中。河口を守る要所であった「サン・モーベール塔」は、フランス王側に立つブルトン兵によって防備されていました。しかし、3日にわたる攻防の末、イングランド・ガスコーニュ軍が塔を奪取。そこを駐屯地とします。